今回は、自分たちのコンサートをするためではなく、京都・胡麻でのザイラー夫妻のコンサートを聴きに行くためです。
もともと、ドイツから日本へ居を移されたときから、かやぶき屋根の家に住んでおられたお二人が、その後、現在お住まいのかやぶき屋根の家に出会われ、そしてさらに時を経て、家のお隣に、ご縁あって、1784年に建立されたという福井の古寺の旧本堂を移築再建され、「かやぶき音楽堂」として、新たないのちをふきこまれたのでした。
私は10代から、お二人の演奏を「かやぶき音楽堂」でいつか聴いてみたい、と思いつづけておりましたので、胡麻駅を降りてから、音楽堂まで歩く間は、思いが叶うことに、どきどき・・どきどき・・でした。
ザイラーさんのユーモアあふれるトークと、お二人の手が交差したりしながら音楽が紡ぎだされる四手連弾の演奏は、とてもここちよく、また奥行きのあるものでした。
休憩時間には、お手製のケーキと、お二人をずっと応援しておられる大関酒造の「花泡香」が一人一人に配られ、またコンサート終了後には、お二人が丹精込めて作られたお米のおにぎりがふるまわれました。
「ピアニストの命は、手や指だけじゃなくて、心なんです。その心を育んでくれるのは豊かな自然です。」
というザイラーさんの言葉が、つよく心に響いています。